東京の真ん中に住む私は、この庭で自然の声に耳を傾け道具と語らい、お客様の庭づくりの構想をめぐらせています。
ー庭の中では得難い光景が広がる自然ー
年に数回、手本となる自然に身を浸します。
その中で色々な造形美を目にすることにより、都会で過ごす自分の失いがちになる感覚を取り戻したりしています。
鉋は気難しく繊細な道具ですが、鉋台の調整や丁寧な刃研ぎをすれば、見事な削り華を見せてくれます。
鋏は昔ながらの手打ち鋏を使い、研いだり蕨手(握りの部分)やカシメを叩いて調整しながら使うことにより、自分の手の一部になります。
鉋を初めて新しく買った時、たまたま自分の屋号と似た銘の鉋に出会い、思わず買ってしまいました。
鑿のいくつかは、戦後まもない頃から当家の倉庫で錆にまみれて眠っていました。なぜか愛着を感じ、錆を落として研ぎ直し、柄なども新品にすげかえて、現在も愛用しています。(案外それなりの名品もあり、造園業ではない父が、戦後まもなくして中古で買った品です)